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2009.09.29



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2009.05.10 「未病」
病気(異常)と健康(正常)は白黒はっきり区別できるものではありません。

元気モリモリを100、死ぬ直前を0とすると、
70~100くらいが健康、0~30くらいが病気でしょうか。
この30~70の間はグレーゾーンの状態と言えます。

病気でも健康でもない状態、
病気ではないけれど、どこか(どことなく)調子が良くない状態です。

これを東洋医学では

  「未病」

などとも言います。
最近は漢方やサプリメントのCMでもこの言葉を遣っているので、
お聞きになったことがあるかも知れませんね。

たとえば、肩こり、四十肩、慢性的な疲れ、
冷え性、乾燥肌、気分の落ち込みなどです。

こういったことは体の一部分が極端に悪くなっているというより、
全身的な不調が弱い部分に症状なって出てきたと考えられるでしょう。

このような「全身的な不調」が原因の場合、
伝統的な細分化され、特化された医療では治すことが難しいのです。


今日は医療の話を。

医療(西洋医学)は細分化・特化の歴史です。

脳、鼻・耳・のど、消化器、呼吸器、循環器、精神、特定の病気など、
特定の領域のスペシャリストになります。
今の医療は複雑になりすぎているため、
一つの分野を極めるのに何年(何十年)もかかります。
歯科ですら、外科、虫歯、歯周病、入れ歯、矯正など、細分化されています。

「複雑になりすぎている」のは決して悪いことではありません。
人類は、医療を細分化・特化させることにより、
それまで治せなかった病気を克服してきました。


しかし、同時に細分化・特化することによる弊害もあります。

インドの寓話に「群盲、象を撫でる」というものがあります。
(「適切でない表現」があるかも知れません。ご容赦ください)

 何人かの盲人が象をさわった。
 一人は象の耳にさわって言った。「象は大きなうちわのようだ」
 別の人は象の足にふれて言った。「象は太い柱のようだ」
 また象の鼻にふれた人は「象は太いこん棒のようだ」と言った。
 象の腹にふれた人は「象は大きな壷のようだ」と言った。


いかがですか。

どの人の印象も、間違っているとも正しいとも言えませんね。
これが、細分化・特化の医学の弊害ではないでしょうか。

つまり

  全身的に(全人的に)診る能力が弱くなった

ことです(もちろん私も含め)。

何度も書きますが、
医療が細分化・特化することは決して悪いことではありません。
今の医療がここまで進歩したのは、細分化・特化によるものです。

これは疑う余地のないことです。

ただ、スペシャリストになりすぎたがために、
患者の体(あるいは患者その人)が
見えにくくなってしまっている
ように思えてなりません。


芸能人やミュージシャンには顎関節症の方が多いのでしょうか。

記憶に新しいのは、松浦亜弥さん。
2006年に同じく顎関節症でコンサートを中止。
その後、テレビでもあまり見かけず、淋しいですね。

他にも、森高千里さんが1994年に顎関節症で同じくコンサートを中止。
牧瀬里穂さんは顎関節症で矯正治療中とか。
Kinki Kidsの堂本光一さんは小さい頃から顎関節症だそうです。

常に人目にさらされる仕事。
緊張の持続を強いられる仕事。
多忙(おそらく)、人間関係のストレス(おそらく)、不規則な生活。

考えてみれば、リスクを平均的な人よりたくさん抱えています。
さらに、歌うことが仕事なら、顎を酷使せざるを得ません。


顎関節症が多いのもうなずけます。

私たちの顎関節症外来にも、
音楽関係の仕事をなさっている方がよく見えます。
今、治療に通って頂いている方も半分くらいは音楽関係です。

みなさんが同じように訴えるのは、

  練習のあと、オーディションや大きなライブの前、
  あるいは忙しくなってくると症状(特に痛み)が強くなる


ということです。

これは顎関節症の典型的な経過です。
したがって、正しい治療を受け、正しい知識を持てば、
予防するのはそれほど難しいことではありません。

音楽家の方には、是非、顎関節症を治して頂き、
私たちを楽しませて欲しいと思います。


「今までの治療法では顎関節症は治りにくい」
ということを繰り返しお伝えしてきました。

では、今までの治療は何が問題なのか、今回から理論的に解説します。

今までの治療法と言えば、
  1.マウスピース(スプリント)を作る
  2.歯を削って咬み合わせを調整する
  3.薬(痛み止め)を出す
でしたね。

私も、マウスピースを作ることもありますし、
鎮痛薬を処方することもあります・・・滅多にありませんが。

問題は、マウスピースや鎮痛薬の使い方が間違っていることです。
使って効果がある顎関節症と使っても効果がない顎関節症があります。

顎関節症には何種類かタイプがあることはすでにお話しました。

マウスピースに、ある程度の治療効果を期待できるのは、
痛みや違和感のある顎関節症の中のさらに特殊な場合だけ
です。
これは詳しく解説しますので、後日、改めて記事にします。

鎮痛薬は急性期をしのぐのには有効です。
しかし、慢性的な痛みには根本的な解決にはなりません。
顎関節症は慢性的な痛みであることがほとんどなので、
鎮痛薬の効果が切れるとまた痛くなります。
慢性的な痛みに鎮痛薬を処方しても、「その場しのぎ」にしかなりません。

私は顎関節症そのものの治療として歯を削ることはまずありません。
「咬み合わせが悪いと顎関節症になる」というのは迷信です。
これも解説が必要ですので、詳しい記事を書きます。


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